2021年12月17日
今も昔も人気!絞りの振袖の魅力
こんにちは! 群馬県前橋市にある振袖専門店・小川屋スタッフの斎藤です。
早いもので今年も残すところ半月ほどになりました。
まだまだコロナ禍の影響は続いていますが、
来年はもっと浴衣や着物を着ていろいろなところに出かけられるようになったらいいな!と思います。
さて、今回のテーマは「絞りの振袖」です。
古代から続く染色技法である「絞り染め」は、
ふんわりとした手触りや独特な風合いが美しく、絞りの振袖もとても人気があります。
絞り染めの様々な技法や、取り扱いの注意点などについてお伝えします。
「絞り染め」とは?
「絞り(しぼり)」と呼ばれることが多いですが、
正確には「絞り染め」という生地の染色技法の一つです。
生地を縛ったり、糸でくくったり、縫い締めたりしてから染色し、
染まらない部分を残すことで模様を表現します。
いわゆる「タイダイ」と呼ばれる「絞り」の染色技法は世界各地にあります。
簡略な方法なら誰でも簡単にできますので、
ハンカチを染めたりTシャツを染めたりして楽しむこともできます。
でも、「絞り」の着物というと、とても高価なイメージがありますよね。
日本では、着物の柄を染めるための「職人技」として発達し、
世界でも類を見ないほど高度で多様な「絞り染め」の技法が使われています。
また、一つの絞り技法の中でも、工程ごとに異なる職人さんが分業で行い、多くの手間と時間がかかります。
疋田(ひった)絞り・鹿の子絞り
生地を糸でくくって細かな粒状の連続模様を描く技法です。
丸い点を中心に生地を四つ折りにして糸を巻き付けてから染めることで、中心部と境目にだけ色がつきます。
通常の疋田絞りでは粒一つに糸を巻く回数が4回ですが、「本疋田絞り」は全て手作業で行い、8回も巻く大変な作業です。
粒がきれいに並ぶようにするには熟練された高度な技術が必要で、総絞りの場合、一反の生地では約15万粒(振袖なら17万粒)にもなり、作業時間は1年以上にも及びます。
器具を使用する「機械絞り」もありますが、手作業が必要なことに変わりありません。
絞りの着物がたいへん高価であるのも納得ですね!
疋田絞りは、鹿の子供の背中にあるまだら模様に似ていることから「鹿の子(かのこ)絞り」とも呼ばれます。京都で生産される精緻な鹿の子絞りは「京鹿の子絞り」と呼ばれ特に有名です。
一目絞り
疋田絞りと同じように、生地をつまんで四つ折りにし、糸をくくって防染する染め方です。
ごく細い糸を2回だけ巻いてから染めます。疋田絞りのように「面」を埋め尽くす模様ではなく、粒を並べて「線」を描きます。
桶絞り
防染したい部分を特製のヒノキの桶に入れ、密閉して桶ごと染液に浸します。
桶の外側に出た生地だけが染まります。大きく染め分ける模様に用いられる技法です。
人気です!「絞り」の振袖
絞りの振袖は、絞り特有の立体感や、ほかの染色技法にはない豊かな表情が美しく、今も昔もかわらぬ人気をほこります。
疋田絞りの振袖
「疋田絞り」はポコポコした立体的な模様が特徴です。
特に生地全体を疋田絞りで染めた「総絞り」の振袖は、ふっくらとして優しい手触りです。
他の絞り技法とも組み合わせて、草花や古典柄などが華やかに描かれます。
また「疋田絞り」をデザインの一部に使っている振袖もあります。
絞り風の模様を描く「摺り(すり)疋田」もありますが、やはり本物の「疋田絞り」は模様に奥行きが感じられてとても素敵ですよ!
「辻が花」の振袖
「辻が花(つじがはな)」は、絞り染めと墨書きなどを組み合わせて、
草花を中心とした絵画的な模様を染める手法のことです。
絞り染めの部分には、糸で縫って防染する「縫い締め絞り」や「桶絞り」など、様々な技法が使われます。
藤や桜の花が流れるように描かれるモチーフが特徴的で、モチーフだけをとりいれた「辻が花風模様」の振袖も数多くあるほどです。
本物の「辻が花」は、絞り染めと手描き模様の組み合わせで手間がかかるため、
たいへん高価になりますが、優美で上品な「辻が花」の振袖は、流行にかかわらず一定の人気があります。
小川屋では、本格的な「絞り染め」の技法を使った特選振袖を多数取り扱っております。
繊細な手仕事の美しさは、画像ではなかなか伝わりにくい面があります。ぜひ小川屋の振袖会場に実物を見に来てくださいね!
>>小川屋の特選振袖 | 【小川屋】振袖レンタル・購入・成人式前撮り-群馬県前橋市・高崎市
絞りの振袖の取り扱いについて
絞りの振袖は、立体感のある模様が特徴の一つですので、つぶれてせっかくの風合いが損なわれないように気を付ける必要があります。
具体的には、以下のような点にご注意ください。
濡らさない アイロンをかけない 重い物をのせない |
絞りの振袖をご購入された場合は、クリーニングなどアフターケアをご利用される場合にも、事前によくご相談されることをおすすめいたします。
振袖のお手入れなどについてご不明な点がございましたら、小川屋スタッフまでお気軽にお問い合わせくださいませ。
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