2024年3月1日
群馬では前橋小川屋でしか見られない!?特選振袖の魅力その② 藤井寛編
みなさんこんにちは。青山です。
今回は前回に引き続き、特選振袖の魅力についてご紹介します!
第2弾は知る人ぞ知る、京友禅作家・藤井 寛先生の振袖です。
前回の藤娘きぬたや編はこちらから↓↓↓
最高峰の京友禅の振袖 藤井 寛先生
それでは、今回ご紹介するのは藤井 寛先生の赤い振袖です。
まずは前回同様、社長と「小川屋のゴッドマザー」こと長谷部さんにコーディネートしてもらい、実際に着てみました!
長谷部さんは、小川屋の大ベテランのスタッフです。着物のことを何でも知っていて、なんでも優しく教えてくれるとても素敵な先輩です。
いつもならコーディネートサクッと決めるお二人ですが、今回は少し悩んでいる様子でした。
この振袖が持つ圧倒的な重厚感や気品は新人の私でも感じました。そんな振袖の持つ『格』に合わせた帯や小物選びはやはり難しいのだと思います。
とはいえ、社長が「これどう?」と選んでも、長谷部さんは「それはない!」とはっきり断ったり…とお二人の掛け合いがとても軽快で面白く、楽しみながらコーディネートを選ぶことができました!
社長の意見に正面から対抗できるスタッフは、長年の経験と知識がある長谷部さんぐらいかもしれません😏
そんな風にワイワイしながら完成したコーディネートがこちらです!↓↓
重ね衿には、振袖の中でもアクセントになっている紫を選びました。
本当はもう少し濃い色で振袖の中にある紫と同じ色にしたかったのですが、残念ながら同じような色味のものがありませんでした。振袖の地色の赤色の反対色である黄色や緑色など他の色も合わせてみた結果この色に決めました。
一方、帯には黄緑色の帯を合わせました。私にはこの振袖に緑色を合わせるという選択肢がなかったので、この組み合わせにはとても驚きました。定番のゴールドの帯も華やかで素敵ですが、黄緑色の帯を選んだことで明るく柔らかい印象になりました。
帯締め・帯揚げには黄色を選び統一感を出しました。
実際に着装をしてみて、その豪華さに思わず見とれてしまいました。
私が特に気に入ったのが袖のデザインです。
私が大好きな桜の花が描かれていて、繊細な色合いが可愛らしくてとっても素敵です!
この、思わずうっとりしてしまうような優しく繊細な色、それこそが藤井 寛先生の作品の特徴であり魅力です。
京友禅とは
まずは、京友禅ってなに?何がすごいの?ということをご紹介したいと思います。
友禅とは着物に模様をつけるための伝統的な技法のことです。
友禅には、手描友禅・型友禅などいくつかの技法があり、現代ではデジタルもあります。
その中で、手描友禅が最も古い技法で、全ての工程を手作業で行います。
柄付けの際に、「糸目糊置」といって、下書きに沿って糊を置いていき、隣り合う染料が滲まないようにして筆で色を挿していくのが特徴です。
友禅は産地によって特徴が異なり、京都で作られたものを京友禅といいます。「京友禅」「加賀友禅」「東京友禅」は日本の三大友禅として知られています。
京友禅は花鳥風月などをより優美にデザインし、金銀箔や金糸銀糸の刺繍、絞りが施され華やかさがあるのが特徴です。三大友禅の中で最も豪華絢爛な着物といえるでしょう。
ちなみに、京友禅は1976年に経済産業省伝統工芸品に指定されました。
手描友禅の着物は、最初にご紹介した通りすべてが手作業によるものです。
その製作工程はおよそ20工程あり、各工程を分業制で行っています。
つまり、それぞれの工程に専門の職人さんがいるので、1枚の着物を作るのに少なくともなんと約20人の職人さんが関わっていることになります!!
それだけたくさんの人の想いがこもった一着となるのです。
図案の作成から染の工程までがわかるこちらの動画もぜひご覧ください!!
藤井 寛先生の魅力
藤井 寛先生は日本最高峰の手描き京友禅作家です。
上品で暖かみのある唯一無二の色合いが、皇室の方々に好まれお召しいただいていることから「ロイヤルカラー」と呼ばれ、高い評価を得ています。
そんなロイヤルカラーの秘密は、他の京友禅が京都中を移動しながら作られているのに対して、藤井 寛先生の着物はほぼ全ての工程を自社工房で行っていることにあります。
そのため、藤井 寛先生ならではの色合いが確立されていきました。
また、独自の友禅技法により繊細なグラデーションを生み出しています。
通常の挿し友禅は【筆】で行いますが、藤井 寛先生の工房では地色の染めから挿し友禅の細部に至るまで【刷毛】を使用する事で、奥行きのある深い色味が表現できるのだそうです。
筆よりも幅の広い刷毛で細かな部分に色を挿すのはとっても難しそうですよね。そうした卓越した技術が、『最高峰』といわれるゆえんかもしれません。
また、藤井 寛先生の作品には瑞雲(ずいうん)の柄がとてもたくさん描かれているのも特徴のひとつです。
今回着装した振袖にも大胆に瑞雲が配置されています。
瑞雲とは元々、仏教においておめでたいことの前兆に現れるカラフルな雲のことを良います。
とても縁起の良い古典柄なので、振袖にもぴったりですね!
この瑞雲模様をいかに美しく表現するか、というのが藤井 寛先生のこだわりでもあるようです。
振袖作りの工程や技法を学んで
今回、特選振袖をご紹介するのにあたり、振袖を作製する工程や技法について色々調べました。
そして、ひとつの振袖にとてもたくさんの人が関わっていることを知ってとても驚きました。
そのひとりひとりの職人さんの作業は気の遠くなるような繊細なものばかりで、改めてその技術の高さや生み出される作品の素晴らしさを感じました。
これから私が着物を購入するときは、その着物がどうやって作られたものなのか、どんな技術、技法が使われているのかを知った上でその着物を着たいなと思います。
そしてそれをまた他の人にも伝えていけたらいいなと思います。
今回ご紹介したように、特選振袖はすべて手作業でひとつひとつ時間をかけて丁寧に作られているため、どうしても高価な振袖になります。
ですが、そんな手作業だからこそ感じることのできる味わいや温かみをぜひ見つけてみてほしいです。
振袖製作の工程や職人さんの高い技術、背景などを知らなければなぜ高価なのか疑問に思うでしょう。
それを知ることで、その振袖に愛着が湧きそれ以上の価値に変わることは間違いありません。
ご家族様にとって大切なお嬢様だからこそ、職人さんがひとつひとつ丁寧に想いを込めて作った本物の振袖を着てほしいとも思います。
少しでも特選振袖が気になった方は、ぜひお気軽にご来店ください!
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