小川屋写真館の『顔』・カメラマンに迫る!~後編~【群馬県前橋市|小川屋写真館】

スタッフトーク

こんにちは!前橋市中央通りにありますスタジオ桑町 小川屋写真館の前野です。4月に入り、暑いと感じる日が増えてきましたね。
ぼちぼち夏着物や浴衣のことを考え始めるようになった私は、すっかり呉服屋の一員だなと感じる今日この頃です。(笑)
昨年仕立ててまだ袖を通していない浴衣を早く着たいなぁ、といまからワクワクしています♪

さて、今回のブログは前回の続きです。

前回のブログはこちら↓↓

小川屋写真館の『顔』・カメラマンに迫る!~前編~【群馬県前橋市|小川屋写真館】

カメラマンの頭の中

前編では、二ノ宮さんが小川屋のカメラマンになるまでをご紹介しました。後編では、現在の小川屋での撮影について、普段考えていることやこだわりについてを詳しく教えてもらいました!

写真のこだわり

前職では写真クラブで色んな所に行きました。
有名な撮影スポットとかで、みんなが綺麗な写真を撮って来る中、私は絶対に同じようにはせず、とんでもないようなものを撮って来るんです。

―以前のインタビューでも同じことをおっしゃっていました。 心象風景なんかが好き、と言うお話もしていましたが、二ノ宮さんにとって、写真=見たままを撮影する、という感覚とは少し違うのかもしれません。目から入ったイメージは、感性と混じり合って、思い描く『画』となり、それを写真という手段でアウトプットしている、という感覚に見えます。

それでも、コンテストで入選することもあって。県展では、真っ暗な森の中で、スポットライトを浴びたような木の枝についた苔の写真。
プロフォトコンテストでは、ヒガンバナを茎を中心にして下から覗き込んだ作品でした。万人受けする写真ではないです。(笑)

ーなかなかにマニアックな写真を撮影している二ノ宮さん。(笑) マクロレンズを使って思いっきり被写体に寄ったり、前ボケや多重露出など、抽象的な表現技法なども好き、とのことでした。
そして、もう一つ写真でこだわるポイントが『光』の表現です。

写真は明暗の世界だけど、小川屋写真館のスタジオは光が全く入りません。それを「どういう風にマニアックに撮るか?」を常に考えています。
お客様のリアクションを確認しながら、チャレンジしてみています。

お客様が嫌がるかな?どうかな?なんて、不安になりつつ撮影しています。暗い写真が好きだけど、「暗いから嫌」と思われないように気を付けています。 (笑)

ー当店の「暗い写真」がこちら↓

振袖撮影ではなかなかチャレンジングなポーズですが、お客様には大好評だったりします。

新しいポーズが生まれるのは、撮影中であることが往々にしてあります。インスピレーションが下りてくると、その場でどんどん新しいポーズを撮り始めるので、アシスタントの臨機応変な対応力が日々培われています。(笑)

チャレンジしてうまくいくときもあれば、もちろん失敗することも。失敗といっても、通常の流れに新しいポーズを追加したりしているので、「写真が無い!」ということはありませんのでご安心ください。
撮った後、お客様の反応やご意見を前野が伺い、フィードバックしています。

撮影時はどんなことを考えている?

最初にお嬢様が写真館に入ってきた瞬間に、「あ、このお嬢様は写真撮るのが嫌そうだな」とかは見ていますね。
最近のお嬢様は感情がはっきりと顔に出ていることが多いですよね。 また、最初のポーズでうまく撮影が出来るかできないか、って言うのは判断しています。
嫌々でも、カメラを向けると上手にポーズや顔を作ってくれる方もいますし、頑張っていても全然できない方もいます。そうしたお嬢様をいかに乗せられるか、が毎度大きな課題です。
難しいと感じることも多いですが、お客様を被写体として見ていると入り込んできてしまいます。
どうしてもいい表情が撮りたい!という気持ちが強くなってしまうので、シャッターを切っているのか、踊っているのか分からなくなってきちゃいます。

(※笑わせることに必死なため、撮影中はおどけたり踊ったり、しゃべくり倒したりしています。)
考えるより先に言葉や行動が出てしまうタイプなんです。よく見て、分析して、考えて…というタイプではありませんね。

今後やってみたい撮影は?

子供から大人まで、幅広い年齢層の撮影ができるようにしたいです。
また、前橋のまちなかで、地域密着の小川屋だからできる撮影がしたいですね!
まちなかを着物で散策するような、ロケーション撮影ができたらいいな、と思います。

中央通りの商店街や、呑竜横丁、ショーウィンドウに映り込む姿、ちょっと陽が落ちた広瀬川沿いなんてとっても素敵ですよね。

ロケ撮は沢山歩くので疲れちゃうんだけどね!(笑)

ー小川屋のきものdeイベントではまちなか散策しながらの撮影なども行っていました。今後、写真館のメニューの一つとして、まちなかロケーション撮影が追加されるといいですね!

カメラマンが教える、写真セレクトのポイントは?

当店では撮影後にお客様に写真選びをしていただいてますが、どう選んだらいいか分からない…と悩む方もいらっしゃいます。自身で撮影をしているからこそ、お客様に写真選びでよく見ていただきたいポイントを聞いてみました。

① 姿勢
② 着物が綺麗に見えているか
③ 表情 笑顔ももちろんいいけど、客観的に見た時に「素敵」と思えるもの
④ 色んなパターンの表情やポーズ
ですね。

撮影する側からすると、色んなバリエーションの写真を撮りたいと思っています。

限られたポーズの中で、沢山の表情を引き出したいと思いますし、そこが課題でもあります。そこに+α、私がこだわっているのは『光』『ボケ』、そして『動き』です。

ー「動きのある写真」というのも二ノ宮さんらしさです。当店で動きのある写真がこちら。

スタジオで動きのある撮影というのはなかなか難しい。 なんなら、風とか吹かせたい。扇風機でも置いておこうかな?(笑)
「TMレボリューションになっちゃいますよ!」とツッコみが入りつつ、「曲流したら、お嬢様は絶対笑ってくれるかもしれないですね。」「それいいね!」と写真館一同大爆笑。

アルバムのレイアウトについて

自分の中のルールとして、全身から入ってアップになって…という【流れ】を大切にしています。あと、見やすさとバリエーション。
とはいえ、お客様にセレクトをしていただいてることで、レイアウトが難しい場合もあります。ご本人が選ぶと、アップの写真なんかを選ばなかったりするので、ちょっと残念な気持ちになりますね。
確かに、自分の顔がそんなに大きくなくていい!と思う気持ちは良く分かります。 ただ、アップの写真が入ると、雰囲気として良くなるし、本心としては「これ(アップの写真)を入れたいのになぁ!」と思うことは多いですね。

―アルバムをはじめ、複数の写真をレイアウトする上で、プロは写真の『強弱』といったものをまず基準にしています。
写真の強弱ってつまり何なのか?というと、『目を引き付ける力』のことです。
感覚的な部分が強く、言語化しづらい部分ではありますが、例えばカメラ目線の写真だったり、お顔のアップはいわゆる『強い』写真です。
通常は、強い写真をメインに弱い(雰囲気やイメージがしっくりくる)写真を組み合わせていき、ページの中に緩急やストーリー性を付けながらレイアウトをしていきます。
ですが、お客様が選んだ場合、時には弱い写真ばかりになったり、同じような写真を選ぶ場合があります。そうなると、レイアウトを組むのにかなり頭を悩ませてしまうことになるのです…。

前回、なぜ色んな方向を向いて撮るのか、という質問の答えはここにあります。
沢山のポーズを撮る際、なるべく「同じような写真」にならないように、背景やポージング、角度や表情など様々な工夫を凝らして撮影しているのです。

セレクトやレイアウトを考えている時は、夢の世界にいるような感覚になります。時々こんな状態でお金もらっていいのかなぁ、なんて。(笑)
―楽しく仕事をしている二ノ宮さんですが、一方でこだわりが強すぎて悩む場面も結構あるのだとか?

プリントに出したときに、思ったようなトリミングや色合いになってなくて、ガッカリ…なんてことはよくあります。
わざと暗く撮っているのに、めっちゃ明るくプリントされたりとか!(笑)
わざと暗くしてるんですって説明したりすると、「一般的じゃない。」「自分の作品じゃないんだから…。」とチクリと指摘されたりもします。(笑)
自分の理想と現実とのギャップを「どこまでで妥協するのか」というのは常に葛藤しています。こだわりがうまく伝わらないもどかしさ、は沢山あります。

―ちなみに、プリントをお願いしているのは写真店時代から長い付き合いのある方なので、厳しめのご意見をいただいたりもします。(笑)
感覚的な分野だからこそ、『一般的』や『お客様の好み』と言った基準を設けるのは非常に難しいですよね。だからこそ、当店ではお客様にお好きな写真を選んでいただいています。
その上で、写真一枚一枚にレイアウトやトリミングなどのこだわりをギュギュっと詰め込み、アルバムやお台紙といった商品を制作しています。

二ノ宮さんの考える『小川屋写真館』とは?

なんだかんだで、前任者のTさんには感謝! なんでデザインの仕事からカメラマンに引き抜かれたのか?と疑問だったけど、「写真だわ!」と今では天職に感じています。
撮影していく中で、目指したいイメージを実現するために「勉強しなきゃ」と思いながら歯がゆいところはありつつ。絵にはない偶然性やその“瞬間”が撮れるのは、写真の深さでもあり面白さでもあります。

小川屋写真館の良いところは?

他の写真スタジオさんに比べると、環境はちょっと不利だな、と正直思います。外光が入るわけではないし、設備などもちょっと古かったりしますし。
ですが、うちはプロフェッショナルが集まっています。 営業さんや、着付け師さん、美容師さんも全部! 皆着物が好きですし、だからこそどこよりも着姿が美しいんです。

そして、写真館は女性だけのスタッフで、柔らかな女性の感性で綺麗な世界を撮ります。それに、スタッフ一人一人がそれぞれのポジションで、それぞれいい仕事ができていると思います。みんなに任せておけば安心、と私自身が思えるので。

そんなスタッフが面白がって、意見を出し合いながら、和気あいあいと撮影している、という環境が結構面白いと思うんです。
さらに、そこからお客様も巻き込んで一緒に盛り上がっていくのが小川屋写真館らしさ、だったりします。

―例えば七五三の撮影では、お父様・お母様も一緒にスタジオ内に入っていただきお子様の笑顔を引き出していきます。
また、最近ではご家族皆さんが着物を着て集合写真を撮る、という事も増えてきました。撮影中は椅子に座ってゆっくりと見学ができ、撮った写真をリアルタイムで見ることができます。

「何を撮っているんだろう?」と不思議そうに見ていて、実際に撮った写真がパッと画面に映った時に、「おぉー!」と歓声が聞こえたり、驚く顔を見るのが好きです。
そんな時に、ちょっとカッコつけちゃったりなんかして。
(ドヤ顔で撮影をするフリをする二ノ宮さん)

これからも、お客様との距離が凄く近い、お客様参加型のスタジオにしていきたい、と思います。
主役の方ももちろんですが、付き添いに来たご家族様も、撮影が楽しい! 盛り上がって大満足! と思ってもらえるような写真館にしたいです。

いかがでしたか?
写真や撮影に対して、並々ならぬ情熱とこだわりを持つ、二ノ宮さんのエネルギーが感じられたでしょうか?
小川屋写真館は、お客様とスタッフの距離が近く、和気あいあいとみんなで盛り上がれる場所、といった素敵な表現がありましたが、そうした場を作り上げてきてくださったのは、二ノ宮さんです!
リピーターのお客様から、「二ノ宮さん、お久しぶり! 会えるの楽しみにしてたよ!」と言っていただけると、私たちスタッフもとっても嬉しく、「さすがだなぁ…」とも思うのでした。

☆★☆★二ノ宮さん、長時間のインタビュー、ありがとうございました!!★☆★☆

最後まで読んで頂きまして、誠にありがとうございます。
お客様にとって特別な日を最高の形で残すお手伝いを、小川屋スタッフ一同、誠心誠意努めさせて頂きます。
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≪当店の感染症対策について≫

・ご家庭で検温した際、37.5℃以上の発熱がある方。
・咳、倦怠感、嘔吐、味覚聴覚等の異常を感じる方、体調の優れない方。
・集団感染が起こった場に入られた可能性のある方。
・感染者と濃厚接触をされた可能性のある方。
・海外渡航歴が1ヶ月以内にある方、もしくはその方と1ヶ月以内に接触された方。
に該当される方は、お日にちを見合わせていただくことがございます。

また、ご来店時に非接触型の体温計で検温をさせていただきます。
他にも消毒液、手洗い、うがい等ご協力をお願いしております。

当店でも店内では、
・アルコールでの手指消毒
・店内や器具の消毒と衛生管理
・店内換気
・殺菌加湿器設置(オゾン系)
・スタッフの健康チェック(37.5℃以上は出社せず)
・スタッフのマスク着用
・使い捨てコップによるドリンク提供
を行なっております。

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