こんにちは!前橋市中央通りにありますスタジオ桑町 小川屋写真館の前野です。
6月も後半、そろそろ夏休みの予定なども考えている頃でしょうか?
写真館では、今週からリフレッシュ期間となりまして、撮影用のスクリーンや機材のメンテナンス、新アイテムの導入等を行っています! 約3週間のメンテナンス期間中、撮影のご予約が受けられず大変ご迷惑をお掛けします。
お宮参りなど、限られた撮影メニューのみ受付が可能な場合もございます。撮影ご希望のお客様はぜひご相談ください!
さて、今回はお宮参りについての記事です。最近お宮参りの撮影が多いのですが、お客様とお話していると、やはり初めてのことで分からないことも多く、不安を感じている方もいらっしゃいます。
よくいただくご質問なども含め、「お宮参りとは?」という基本的なことをまとめてみました!
これからご出産を控えている方は、是非一度ご覧ください。
お宮参りの由来と意味
そもそも、お宮参りとはなんなのでしょうか? 『お宮』とは神社の事を言い、『神社へお参りを行う』というそのまんまの意味ですが、古くから日本の風習としてずっと続けられてきた儀式です。
お宮参りの由来
元々、お宮参りは鎌倉時代に発生した『産土詣(うぶすなまいり・うぶすなもうで)』というものが元となっています。「産土(うぶすな)」とは産まれた土地、「産土神(うぶすなかみ)」はその土地の神々のことを言い、赤ちゃんの誕生を神様へご報告と感謝をし、赤ちゃんの健康と長寿を祈願するために行われていました。産土詣は室町時代に一般に広まり、『初宮参り・初宮詣で』などと呼ばれていたものが、現在の『お宮参り』へと変化したと考えられています。
余談ですが、こうした儀式でよく使われる『参』と『詣』の漢字。どちらも『まいる』という意味ですが、厳密にいうと、神社へ行く場合は『詣』、お寺やお墓へ行く場合は『参』を使うそうですよ。本来であれば、“お宮詣り”とするのが正しいのかもしれませんが、『お宮参り』が現代では一般的なようです。
お宮参りは神様へのご挨拶と、感謝を伝えるイベント
さて、そんな産土詣が生まれた時代は、公衆衛生や医療が現代よりも発達していません。そのため、出産は今よりももっと、いのちがけ。また、無事に生まれたとしても、その後長く生きるのが難しかったのです。そのため、子供は7歳までは『神の子』とされていました。まだこの世の存在ではない(神様の世界の)子供を『お預かりしている』という考え方だったのです。
まずは、妊娠期間を見守り、無事に出産できたことを感謝するとともに、生まれた赤ちゃんが神様の子とする『氏子入り』を行うのがお宮参りの元々の儀式でした。
また、感謝するのはもちろん神様だけではなく周りの人たちにもです。自宅へ親類・知人を招いて赤ちゃんのお披露目を行い、お赤飯をふるまうのが古くからの習わしでした。そうすることで、赤ちゃんの成長を皆で願い、現実的な今後の子育てへの協力を仰ぐ目的があります。お赤飯をふるまう、という慣習は現代では薄れてきてしまっていますが、周りの人へ感謝の気持ちを持つことは大切ですね!
お宮参りの時期と一日の流れ
怒涛の出産から、慣れない子育てでバタバタしていると本当にあっという間に時間が駆け抜けていきますよね。そんな中、お宮参りのタイミングはいつがいいのでしょうか?
お宮参りはいつ行うべき?
本来は、生まれた日を1日として男の子は生後31~32日目、女の子は32日目~33日目に行うのが正式な日です。とはいえ、現代では厳密な決まりはなく、生後1か月から、半年くらいの間で、各ご家庭のタイミングに合わせて行うことが多いようです。
例えば、生後100日~120日で行う『百日祝い(お食い初め)』や、ごきょうだい様の七五三に合わせたり、真夏や真冬などの赤ちゃんの外出が厳しい季節は避けたり、ママの体調の回復を待ってから行うなど臨機応変に対応するのが良さそうです。
お参りは午前中に行うのがおすすめ!
午後や夕方でもお参りはできますか?とよく質問されるのですが、赤ちゃんの生活サイクルに合わせてお参りなどの時間を設定しておくのが無難です。
普段寝ていたり、おっぱいの時間などにぶつかってしまうと、泣いてしまって御祈祷どころではなくなってしまいます。
一番良いのは、午前中で終わらせてしまうことです。朝目覚めた直後は、比較的ご機嫌な赤ちゃんが多いためです。
逆に、御祈祷を終えてから午後に撮影をしたいというお客様もいらっしゃいますが、午後になると赤ちゃんも疲れて眠くなってしまうのでかなりぐずる可能性があります。当店では可能な限り朝一、お出かけ前の撮影をおススメしています。
お宮参りの場合、記念撮影で2~3ポーズの撮影となるので所要時間は30分程度ですし、神社での御祈祷も同じくらいの時間なので、遠い神社への参拝ではなければ午前中ですべて済ますことは可能です。
お宮参りの準備と当日の流れ
では、実際にお宮参りはどんな流れとなるのかをご紹介します。
準備編
赤ちゃんが産まれたら、いつ頃お宮参りに行くのかを決めましょう。赤ちゃんは大人と違い体調の変化なども目まぐるしいので、予備日を作っておくと安心です。また、お宮参りには誰が参加するのか、どこの神社に行くのか、お参り後の流れをどうするかなども具体的に決めておきましょう。
① 祝着の購入またはレンタル
お参り日が決まったら、祝着の準備をしましょう。
② お参り当日の着付けや記念撮影、神社、食事会の予約
お参りの日に着物を着る、ヘアメイクを行うなどの場合は祝着を選んだついでに予約をしておきましょう。
写真館での撮影は必須ではありませんが、せっかくの記念ですので家族揃っての写真撮影だけでもしておくのがおススメです。
お参りの神社は、産土神社が基本ですが、お気に入りの神社やお寺がある場合はそちらでも問題ありません。生まれたばかりの赤ちゃんを連れての移動となるので、なるべく遠い場所などは避けた方が無難です。
③ お参り前日に必要なアイテムを準備する
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- オムツセット(オムツ、おしり拭き、ゴミ袋)
- ミルクセット(粉ミルク、ミルク用のお湯を入れた魔法瓶、哺乳瓶、授乳用ケープ)
- 着替え、おくるみ
- タオル、ガーゼハンカチ
- 抱っこ紐
当日編
① (着付けがある場合)ご来店後ヘアセット&着付け
所要時間はヘアセット1時間+着付け40分前後です。着物を着てしまうと、授乳が出来なくなってしまうので、着付けの前に赤ちゃんへの授乳などをしておくと安心です。着付けの際は母乳パッドを用意し、着用しておきましょう。
②記念撮影→写真セレクト
お宮参りの撮影は、赤ちゃん一人と家族集合の2ポーズが基本です。赤ちゃんの様子により変動しますが、スムーズに撮影できれば15分程度で撮影は終了します。撮影後、すぐに写真をセレクトしていただきその場でお会計となります。(※写真の購入は現金またはカードとなります)
④ 出発
⑤ 神社到着・受付
神社へ到着しましたら、早速受付を行います。受付で赤ちゃんの名前や生年月日などを聞かれる場合もあります。
⑥ 御祈祷
御祈祷中は静かに受けましょう。神社によってはカメラやスマホでの撮影がNGの場合もあります。撮影を行いたい場合は事前に確認をしておきましょう。
⑦ 食事会
食事会は省略されるお家もあります。外食される場合は、赤ちゃんが泣いても問題ないような個室のお店などを選ぶと安心です。
⑧ あいさつ回り
こちらも省略される場合があります。赤ちゃんやママに余裕があれば、ご近所やお宮参りに参加しなかった親戚、お世話になった方へお披露目もかねてご挨拶に行くと喜ばれます。
お宮参りの服装とマナー
まずは神様へご報告と感謝を申し上げるお宮参り。できればお子様の未来や健康もお願いしたいところ。もしもあなたがお願い事をされる神様の立場だとしたら、どんな服装の人の願いをかなえたいと思いますか? TシャツにGパンのラフな服装の人? それとも、きちんとしたスーツを着た人?
「人は見た目じゃない!」「神様は平等だぞ!」なんて声が聞こえてきそうですが(笑)、服装でも大切なのは相手への『敬意』と『心遣い』ではないでしょうか。普段着では自分主体で問題ありませんが、正装では自分以外の人の目を意識することが大切です。清潔感があり、見ていて心地が良く、安心や信頼ができるような服装をするのが正しいマナーです。
お宮参りにふさわしい赤ちゃんの服装
もちろん、赤ちゃんにも正装があります! 一般的には、「白羽二重」と呼ばれる正絹の内着の上に、祝着(のしめ)と呼ばれる着物(産着・一つ身とも呼ばれます)を羽織るのが伝統的なスタイルです。
祝着(のしめ)には、男女で色柄に違いがありますが、どちらも赤ちゃんの健やかな成長を祈願する柄が用いられます。
男の子は主に、「強く逞しく育ってほしい」という願いから、黒や紺などの濃い地色に、兜や鷹、龍などの勇壮な柄が描かれます。女の子は「優しく美しく育ってほしい」という願いから、赤やピンクなどの地色に、花や御所車、手毬など華やかな柄が描かれます。
最近では、祝着の下は白羽二重ではなく、ベビードレスやカバーオールなどを着用する方も増えています。白羽二重が正絹のため高価で取り扱いが難しい上、お参りの際は祝着をかけて見えないこともあり、お手持ちの洋服で代用されています。
特に暑い時期は注意が必要です。抱っこをしてその上から祝着をかけるとかなり暑く感じます。クーラーのきいた店内でさえも、抱っこされているお母様やおばあ様がじんわり汗をかくくらいですし、赤ちゃんも暑くて泣き出してしまうこともあります。それが外であれば尚更ですので、熱中症にならないように対策をしておきましょう。
化繊のベビードレスやロンパースは熱がこもりやすいので、ガーゼ素材などの通気性の良い素材のものを選びましょう。また、ポータブルの扇風機や汗拭き用のタオルやガーゼ、日傘などもあると便利です。
あと、当店でもよくご質問を頂くのが、『フードセット』について。 フードセットとは、お宮参り用の帽子とよだれかけ(ものによってはお守りなどの小物)がセットになったものです。
このフードセット、当店では衛生面と感染予防としてレンタルをしていないため、祝着レンタルをされるお客様からは「必要なんですか?」とよく聞かれます。
帽子は無くても大丈夫ですが、よだれかけは絶対に必要です。撮影の際、帽子は赤ちゃんが動くたびにずれたり、お顔に被ったりするのであまり使用しませんが、よだれかけは必ず着用します。
祝着の汚れ防止のためにも必須ですので、よだれかけは必ず用意しておきましょう。
お宮参りに参加する家族の服装
伝統的な通過儀礼であるお宮参り。最初にお伝えした通り、神社という神聖な場へ行きますので、正装をするのが一般的です。
昔は、父親は着物に羽織、母親は黒留袖といったかなり格式ばった服装だったようですが、現在ではもう少しだけカジュアルな服装となっています。
男性は黒や紺などのフォーマルスーツまたはビジネススーツ。女性は訪問着やセレモニースーツなど。
両親ともに着物を着ても問題はありませんが、慣れない着物での赤ちゃん連れは大変ですし、お世話や抱っこ中に着物を汚してしまうこともあるので、注意しましょう。
マナーや作法のポイント
地域により独特な風習があるお宮参りですが、ここでは一般的なマナーについてご紹介します。
神社での御祈祷は事前に予約をしておく
通常、お宮参りでは神社へ参拝し御祈祷を受けます。予約を必要としない神社もありますが、七五三などの繁忙期や婚礼などで御祈祷を受けられない場合もありますので、必ず神社へ確認しておいた方が良いでしょう。また、御祈祷を受ける際は初穂料がかかります。初穂料の相場は5,000円~10,000円ですが、神社によっては金額が決まっているので、予約の際に確認しておきましょう。 初穂料はのし袋に入れます。のし袋は紅白で蝶結びの水引が付いたものを用意しておきましょう。こちらも神社によっては直接支払う場合もあるので、確認しておきましょう!
神社の拝礼は『二礼・二拍手・一礼』
赤ちゃんとママの体調によっては、本殿への参拝だけで済ませることもあるかと思います。その場合は、一般的なお詣りの作法に則り、神様へご挨拶をしましょう。
- 鳥居の前で一礼
- 参道は端を通る
- 手水舎で左手→右手の順に手を洗い、左手のひらに水を汲んで口をすすぎ、ひしゃくを立てて持ち手を洗います
- 鈴を鳴らし、お賽銭を入れ、二礼→二拍手
- 心の中で住所氏名を伝え、参拝の目的や感謝、赤ちゃんの成長をお願いしましょう
- 最後に一礼をします。
赤ちゃんを抱っこするのは、父方の祖母
その昔、出血をともなうお産は穢れ(けがれ)とされ、穢れのある母親が、お宮参りで赤ちゃんを抱っこするのはNGとされていました。
現代では産後間もない母親の体調を気遣う意味合いに変化していますが、伝統的に「父方の祖母」が赤ちゃんを抱っこします。
とはいえ、最近では母方の祖父母が抱っこしたり、そもそもお宮参りに祖父母が参加しないパターンも多くなったため、誰が抱っこしても問題はありません。
撮影では、母親が着物を着た時は父親が抱っこして撮影する場合もあります。記念撮影や御祈祷時に誰が赤ちゃんを抱っこするのかについては事前に皆さんで相談をしておきましょう。
いかがでしたか?お宮参りも基本的な考えは七五三と同じのようです。
一般的には細かな決まり事などはありませんが、各ご家庭での慣習などはあるかも知れませんので、両家それぞれで相談の上お宮参りを行いましょう。 祝着や撮影、ご予約に関してはぜひその道のプロである小川屋にお任せください!
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