こんにちは!前橋市中央通りにありますスタジオ桑町 小川屋写真館の前野です。
暑くなったと思ったら、急に雨続きで寒くなったりと寒暖差が激しいですね。衣替えをしてしまったので、寒くなってしまうと、着るものが無くて困ります。(笑)
衣替えといえば、今の時期早い方は着物も袷から単衣に移行されている時期ですね。
昨年から今年にかけて、お陰様で着物を着る機会が多かったので、そろそろ着物たちをお手入れに出して、単衣や浴衣を出さなくちゃ、と思いつつ…。
職場だからいつでもお手入れに出せるしな~、とずるずるとしております。
そろそろ本格的に暑くなってきますし、しかも梅雨は湿度も上がってまいりますので、その前にちゃんとクリーニングをしておかないとですね!
卒入学式などで着用されたお客様も、もしまだお手入れされていないようであれば今の爽やかな時期に済ませてしまいましょう!
大切な着物にカビが生えてしまったら悲しいですからね。
さて、そんな着物の話から、今回7歳様の着物についてご紹介いたします。七五三の着物は大人の着物とどう違うのか?
必要な小物や柄など、基本的なことをまとめてみました!
七五三 7歳女の子の着物はどんなもの?
七五三には元となる儀式が存在しています。7歳は、『帯解きの儀』といわれるものです。
その昔、7歳以下のお子様の着物には紐がついており、その紐を結んで着ていました。
ちょうど、3歳様の着物のようなものをイメージすると分かりやすいかと思います。昔も、小さいお子様は着物を着るのも大変ですので、簡単に着れるようになっていたのですね。
そうした紐付きタイプのものから、大人と同じような着物を着て、きちんと帯を結ぶようになると、「大人の仲間入りをした、成長した」ということでお祝いをします。それが、『帯解きの儀』です。
大人の着物とどう違う?
この時、大人と同じような感じの着物を着るわけですが、7歳様と大人ではもちろん体の大きさが全然違います。
そこで、着物も洋服と同じように、キッズサイズの着物を着用します。それが、『四つ身(よつみ)』と言われる小さなサイズの着物です。
通常幅の反物から身長の4倍の長さを断裁し、着物に仕立てるため四つ身と言われます。
また、七五三の着物は肩上げ・腰上げを行い、サイズを合わせて着用します。この肩上げ・腰上げは肩と腰部分の布を折って縫われたものです。
何故、四つ身で仕立てる時にわざわざピッタリサイズで作らないのか?と言いますと、お子様の成長を想定してのことです。
また、「この着物の肩上げ・腰上げをほどき、ピッタリで着られるくらい大きくなってね。」という成長祈願の意味が込められているのです。
昔は同じ着物をそのようにサイズ調整しながら大切に着ていて、ご家族様はそんなところでお子様の成長を実感していたのかもしれませんね。
七五三ならでは、な和装小物たち
7歳様は着物だけでなく、身に着ける小物も七五三ならではのアイテムが沢山あります。それぞれの小物にも意味や由来があります。
筥迫(はこせこ)・ビラ簪(かん)
胸元に入れているこちらの箱が筥迫。
現代では基本的に飾りとして、機能性は特にありませんが、元々は化粧ポーチのようなものでした。
江戸時代の大奥や武家の女性たちは、この箱の中に紙やお金、口紅などを入れていたそう。
正装の時には豪華な装飾の筥迫を身に着けていたようです。今で言うパーティバッグ的なものですね!
七五三以外ですと、婚礼での花嫁さんが身に着けています。大人用の筥迫には、実際に中が開くようになっていて、懐紙が入れられたり、鏡がついているものもあるようです。
筥迫の中心を留めるものが、胴締め。この胴締めをしめる紐についているのが『落とし巾着』といいます。
この巾着は、匂い袋やお守りが入れていることが多いそうですが、元々帯に挟んで筥迫を落とさないようにする役割がありました。袋が可愛いので、そのまま外に出しておくことが多いですが、本来は帯にしまっておくものだそうです。
筥迫の上部についているのが『飾り房』と『ビラ簪』。昔は、護身用としてビラ簪の先を刀剣の代わりとしていたそうです。そう聞くと、必殺仕事人をイメージしてしまいますね。(笑)
志古貴
帯の下側にリボン結びするのが、この志古貴という布です。こちらは「おひきずり」という昔の着物の着方の時に、外出する際着物を汚さないよう裾を上げるために使っていたものの名残です。
おひきずりは、よく大河ドラマなどで見る上流階級の女性が、おはしょりを作らず、裾を引きずるような長い着物のことを言います。
現代ではおはしょりにより引きずることはなくなりましたので、芸者さんや花嫁さんだけの着物の着方になりました。
扇子
七五三では5歳様も7歳様も扇子を身に付けます。扇子のことを、『末広(すえひろ)』とも言いますが、扇を広げた時に先に向かって広がっていく形(末広がり)をしていることから、縁起物とされています。
暑さ対策として仰ぐための扇子ではなく、お子様の人生が末広がりに栄えるようにとの願いが込められています。
ちんころ・かのこ
こちらは髪飾りの名前です。新日本髪を結った際、結び目を隠すために使われる髪飾りで、ちんころが前髪、かのこが後ろ髪に使う飾りとなります。
ちなみに、かのこは漢字で書くと、『鹿の子』。絞り染めの一種である、鹿の子絞りから由来しています。鹿の子絞りは名前のとおり、小鹿の背中にある斑点をデザイン化した柄になります。
ぽっくり(おこぼ)
木履(ぼっくり)、こっぽり、おぼこ…と調べてみると色んな名称がありますが、下駄の一種です。
厚底でかかと部分しか接地しない形をしています。舞妓さんが履く履物で、七五三でもお祝い履きとして使われています。
高さがあるので着物の裾が汚れにくいことや、歩き方がはんなりとし、立ち居振る舞いが美しくなるメリットがあります。
ただし、バランスを取るのが難しく、歩くのにコツがいるので、主に撮影で使われることが多いです。
写真館にもぽっくりのご用意がありますが、履いてお出かけはできません。
7歳様の着物 選ぶならどの種類?
一口に七五三の着物、と言っても種類は様々。子供らしい可愛い柄のものから、思わず大人も着たい!と思うような本格的なものまで幅広くございます。そうした七五三の着物の種類について、ご紹介します。
選ぶなら、古典柄?モダン柄?
着物でよく聞く『古典柄』や『モダン柄』。またその間を取ったような『レトロモダン柄』などなど。それらの着物の柄の違いはどんなものなのでしょうか?
古典柄
古典柄とは、日本古来より伝わる文様を使った着物の柄のことを言い、この文様にはいくつか種類があります。
貝桶や熨斗、手毬や御所車など、平安時代を彷彿とさせるおめでたいモチーフの【吉祥文様】、桜や牡丹、松竹梅などの植物をモチーフとした【植物文様】、おしどりや蝶々、鶴亀、鳳凰などの【生物文様】、市松や亀甲、七宝などいわゆる『和柄』として使われるような【有職文様】など。
これらの文様を組み合わせてデザインされたのがいわゆる【古典柄】です。
モダン柄
一方のモダン柄は、洋風なテイストが入った柄です。薔薇やリボン、レース、幾何学模様やチェックなど。
色や柄は流行に合わせて変化しており、七五三では水色やラベンダーカラーがここ数年人気です。
柄は古典と比べると着物全体に配されることが多いですが、モチーフが大きめなので全体で見るとすっきりとした印象です。
ちなみに、『レトロモダン柄』はまさに古典とモダンの間、と言ったところでしょうか。
柄は大胆な配置でも、使われているモチーフは古典だったりします。和と洋の絶妙なミックス感は、まさに大正~昭和初期のイメージです。
永遠の定番、絞り染(しぼりぞめ)
七五三の衣裳と言えば、絞り染めのイメージがある方もいるかもしれません。ちんころやかのこ、帯揚げなどで使われていますし、絞り染め特有のポコポコとした可愛い質感はお子様にピッタリです。
鹿の子の柄を絵付け(またはプリント)された着物もありますが、おすすめはやはりひとつひとつ職人さんの手仕事で絞られた総絞りの着物です。
見た目の可愛さはもちろんですが、触り心地が良く、ふんわりと身体になじむ総絞りの着物。
立体的な構造から、肌に触れる面積が少ないため、肌感覚に敏感なお子様でも快適に着用できます。着用皺も目立ちにくく、伸縮性があることから動きやすいです。
生産に時間がかかり、希少なことから購入の場合高価となりますが、着る人を選ばない定番の着物として、何代も引き継ぐことができる逸品です。
ぱっと目を惹く、紅型(びんがた)
紅型とは、沖縄を代表する染め物です。鮮やかでカラフルな色彩は、思わず目を惹きます。
七五三で紅型の着物は非常に珍しいですが、小川屋では時々お見掛けします。
南国を感じる自然や動植物のモチーフ、独特の彩色が写真映えNo.1です。人とは違った七五三の着物を選びたい方におすすめです。
ちなみに、カメラマンの二ノ宮さんは紅型が好きなので、紅型の着物のお客様を前にするといつも以上にテンションが上がります。(笑)
小物選びも抜かりなく!
着物だけでなく、せっかくならば小物もこだわりましょう。七五三の定番の帯は、金糸や銀糸があしらわれたゴージャスな袋帯ですが、最近では写真のような無地の帯も人気があります。
帯・帯揚げ・志古貴、髪飾りの色合いによって同じ着物でもがらりと印象が変わってきますので、お子様に一番似合う組み合わせをぜひ見つけてみてくださいね!
小物選びでコーデが上手くまとまるコツは、「着物の中にある色で合わせること」です。
あれこれ色を使って遊ぶのも面白いですが、洋服とはちがい、着物自体の柄が華やかなため、逆にうるさくなってしまったり、着物の魅力を打ち消してしまうコーデにならないように注意しましょう。
いかがでしたか? 今回は7歳様の着物について詳しくご紹介してみました。
基本は大人と同じ7歳様の着物ですが、小物や柄など七五三ならではなものも沢山ございます。
長く続く伝統には、一つ一つに意味があります。その多くが、お子様の幸せや成長への願いが込められているのです。
小川屋では、沢山の衣裳をご用意しております。 ぜひ、店頭にてご覧ください!
お客様にとって特別な日を最高の形で残すお手伝いを、小川屋スタッフ一同、誠心誠意努めさせて頂きます。
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