こんにちは!前橋市中央通りにありますスタジオ桑町 小川屋写真館の前野です。
今週13・14日と2日間、お店をお休みして、京都研修へ行ってまいりました! 普段見ることのできない、着物作りの裏側を見ることができ、体験や職人さんのお話を直に聞くことができて、とても貴重な体験ができました!! 今回の研修については次回のブログでご紹介する予定ですので、ご興味があればぜひ読んでいただければと思います。
さて、今回は7歳様の着物についてです。前橋小川屋では、『本物』にこだわり、七五三の衣装はレンタルでも正絹のものを揃えています。(一部を除く) とはいうものの、あまり着物に馴染みのない方には、正絹の着物ってどこが良いの??と疑問に思われるかも知れませんね。 七五三の衣装として使われる素材は、【正絹】または【ポリエステル】の主に2種類です。それぞれの素材についてご紹介させていただきます。
正絹のきもの
正絹とは、「しょうけん」と読みます。着物に親しんだ方なら当たり前に知っているこの言葉ですが、私は小川屋に入社するまで正絹という単語を知りませんでした。入社してすぐ、先輩社員から「ショーケン」と言葉が出てくるたび、「証券?」「小剣?」「ショーケン(俳優の萩原健一さんの愛称です)???」と脳内で誤変換しまくっていました。(笑) 着物業界では当たり前のワードですが、一般には馴染みのない言葉ですよね。漢字にしてみるととても分かりやすいかと思いますが、つまりは、絹(シルク)100%という事です。正絹はお蚕さんが繭になる際に作り出す糸を紡ぎ、織り上げたものですので、手間暇がかかっています。シルク、というと高級なイメージを持つ方も多いかと思いますが、そうした理由から正絹のきものはポリエステルの着物に比べて高価です。
正絹のメリット・デメリット
メリット
肌馴染みがよい
絹は人体を形成しているアミノ酸18種類で構成されています。そのため、肌にとって異物として認識されづらく、親和性が高いため、肌に優しい着心地を感じることができます。
実際に機会があれば、正絹とポリエステルの商品を触って比べてみましょう。驚くほど感触が違いますので、面白いと思いますよ!
吸湿性・通気性など機能面が優れている
正絹は「夏は涼しく、冬は暖かい」と言われています。それは、絹の繊維の構造による、水分コントロールの機能のお陰です。絹の繊維を顕微鏡で見てみると、断面が三角形となっており、その繊維が何本も重なり合って1本の繊維を構成しています。その重なり合った繊維には大きな隙間があり、この隙間が空気や水の出入りを調整するカギとなります。
吸水性の高い天然素材として有名なコットン(綿)ですが、シルクはなんとコットンの約1.3倍~1.5倍の吸水性があります。また、同時に放湿性も高く、常に繊維内の水分を一定に保つ機能があるのです。そのため、夏に沢山汗をかいたとしても、吸水・放湿することで熱を下げ、ベタベタせずにさらりとした肌触りを保てますし、冬は肌から逃げた水分を繊維の隙間に熱と一緒に保持するので温度が下がりません。
独特の光沢がある
先ほど絹の繊維は断面が三角形になっている、とお伝えしました。この三角形の形状が、絹独特の光沢を生み出す秘密でもあります。この三角形の形状が、プリズムのような働きをし、繊維に入った光を屈折・分散・全反射させます。結果、繊維の中で光が複雑に動き、絹の深みのある光沢が生み出されます。
デメリット
摩擦に弱い
繊維の構造上、強い摩擦によって繊維が割れて、毛羽立ちやすい性質があります。
水に弱い
水洗いすると絹の光沢がなくなってしまいます。また、縮んでしまったり、色落ちしてしまいますので、通常の洗濯はできません。また、雨などで水に濡れてしまうと繊維が膨張し、元の状態に戻らず、シミとして跡が残ってしまいます。
変色しやすい
紫外線に弱く、黄色に変色してしまいます。(黄変) 着物を干すときは、室内の直射日光を避けて陰干しをするようにしましょう。
価格が高い
最初にお伝えした通り、養蚕によりますので、絹は希少で価値の高いものになります。そのため、正絹の着物はポリエステルやその他の素材のものより、高価です。
ポリエステルのきもの
ポリエステルは、石油から作られた合成繊維です。人工的に作られるポリエステルの素材は、自然由来の正絹よりも量産がしやすいため、価格もリーズナブルです。 最近では、ポリエステルの質がかなり向上していて、正絹の着物と比べても遜色のないものも登場しています。当店でも取り扱っている、シルックなどはポリエステルのきものの代表選手。安価で取り扱いが簡単なことから、『普段着物』として愛用されることが多いです。
ポリエステルのメリット・デメリット
メリット
ポリエステルは、正絹のデメリットをしっかりカバーしていることがメリットと言えるでしょう。
洗濯機で洗える
水に濡れて縮んだり、シミになったりすることはありません。洋服と同じように洗濯ができてしまうので、お手入れや衛生面が気になる方には安心です。
保管が簡単
洗って干して、きちんと畳んでしまっておけばOKです。
デメリット
通気性・吸水性が悪い
自然素材とは違い、人工的に作られた繊維は均一的なので絹のような“隙間”があまりありません。そのため、通気性や吸水性が悪いです。
暑い時は蒸れやすく、また汗をかいたりすると、ペタペタと肌にくっついてしまい、不快な場合があります。
素材が滑る&硬めなので着崩れやすい
ポリエステルの表面はツルツルと滑りやすく、素材にハリ感があるため、正絹のように体に沿うような着用感がありません。そのため、しっかり着付けたとしても着崩れやすいので、元気なお子様は注意してください。
やや重量感がある
通常、正絹よりもポリエステルの方が重いです。こちらも、繊維が均一か、そうではないかによるところ大きいようです。
静電気がおきやすい
撮影時にお子様に触れた瞬間、「パチンッ!!」と大きな音と火花が散ることが時々あります。自然素材である、麻や綿、絹は帯電しにくい素材ですが、ポリエステルはマイナスに荷電しやすい素材となります。そこに、プラスに荷電しやすいナイロンやウールなどの素材が擦れ合うと、静電気が発生します。
正絹をおススメする理由
さて、正絹とポリエステルのメリット・デメリットについて具体的にご紹介してみましたがいかがでしたでしょうか? 正絹の着物は扱いづらく感じましたか? そう、確かに正絹の着物は取り扱いに注意しなければいけないのが難点です。私自身、小川屋に入社してからポリと正絹、それぞれの着物を仕立てましたが、正絹の着物はなかなか気軽には着れません。(笑) 着用時の気の使い方も違いますし、一度着たらすぐにお手入れに出したい、と思うと正絹の着物を着るのはやっぱり『特別な日』に着たい、という気持ちが強いです。
だからこそ、七五三という特別な日。一生に一度しかないその特別な日には、正絹の着物を体験してみませんか?
七五三で正絹の着物をおススメする理由!!
肌に優しく、着心地が良い!
メリットでもご紹介しましたが、正絹の触り心地というのは想像以上に良いものです。もちろん、加工や織などにより素材感に違いはありますが、それでもポリエステルの着物と比べると生地がふんわりと柔らかく、お肌に優しく沿うような感覚があります。ポリエステルはややゴワゴワとして硬い印象があります。お子様は皮膚が薄く、刺激に弱いので、擦れやチクチク感などを嫌がるお子様もいらっしゃいます。また、ポリエステルの方がやや重量感があるので、撮影やお詣り当日で長時間着用していると疲れてしまうこともあります。肌に優しい素材でもありますので、お子様の肌に触れるものはやはり優しいものの方が安心です。
体にフィットし着姿が決まる!
ポリエステルの着物はやや硬めの素材感のため、着物の形がしっかりと保たれます。撮影の際、そうした特性が良い時もあれば悪い時もあります。例えば、座った時に体から浮いてしまったり、ピッシリしすぎて袖や裾が思うような形にならない…なんてことも。華奢な体型のお子様の場合、肩周りなどが大きく見えてしまうこともあり、やや可愛さに欠ける着姿となってしまうと残念ですよね。一方で、正絹の着物は重力に従い落ちますので、ふんわりと身体にフィットします。また、しっかりと着付ければ着崩れもしにくいので、お詣り後に撮影されるお客様も時々いらっしゃいますが、ヨレヨレになってしまって着付け直す…ということは滅多にありません。
レンタルであれば正絹のデメリットは関係ない!
正絹着物のデメリットである取り扱いについても、レンタルであれば問題ありません。基本的に着物の管理は小川屋で行いますので、着用する際に破損や汚れに注意していただければ大丈夫です。もしも心配なようであれば、レンタル時に『安心パック』に入っていただくのがおススメ。1,100円(税込)できものに対する保険となり、回復可能な汚れ等であれば、クリーニング料金などはかからない仕組みです。 また、他店様では正絹着物のレンタルは別料金(または追加料金が発生)という事もあるようですが、当店ではレンタルでもほとんどが正絹の着物ですので、レンタル価格の差はありません。
レンタルについての詳細はこちらでご確認ください↓↓
こちらも良ければ参考に↓↓
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